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カウンセラーブログ

    • 2024.09.21
      • 人生脚本

      人生脚本(life script)① / 人生脚本とは

      群馬県伊勢崎市の公認心理師、心理カウンセラーの梶間久美子です。

      みなさんは自分の人生について興味があるのではありませんか?

      ここから人生脚本シリーズとして、心理学から詳しく解説したいと思います。

      人生脚本(life script)とは

      人生脚本とは、エリック・バーンによって提唱された概念であり、無意識の人生計画であります。

      人は誰しも自分の人生で、すでに脚本に書かれたドラマを演じているようなものであると研究、発見したのです。

      あなたの人生は、もうすでに書き上げられているドラマの脚本通りに日々を送っているんだよ、と提唱したわけです。

      エリック・バーンの概念は、人生設計とは違います。

      人生設計したとしても、人生脚本と相容れないものであれば、人は無意識に人生脚本に合う方を選んでいきます。

      例えば:

      「苦労ばかりしてきたから、これからは人生を楽しんできていくんだ。もう誰かのために自分を犠牲にしないで、自分を大切にしていこう」

      と、人生設計をたてたとします。

      この人の人生脚本が「人生は苦労。楽なんてしてはいけない。人のために自分を犠牲にする」であったとしたら、

      自分を誰かの犠牲にすることなく楽になっていくうちに、罪悪感や心地悪さがどんどん強くなり、

      楽する設計がだったはずが逆に、落ち込んだり、なれないポジションでいたたまれない感覚になって、

      いつの間にか、また誰かのために一生懸命に自分を犠牲にするポジションについていることでしょう。

      「人生は苦労する」方を選んでいく。

      それも、無意識のうちにそうしているわけです。

      人生脚本は何歳くらいに決定しているのか

      人の脚本はすでに乳幼児期から児童期くらいまでに決定されています。

      今あなたが送っている人生は、すでに赤ちゃんの頃から小学生あたりで

      「自分の人生をこう生きよう」と決めているのです。

      人生脚本とは、決断された信条の集合体であると言われています。

      先ほどの例から考えたなら

      「楽しんではいけない」という決断があります。

      「自分を大切にしてはいけない」や

      「自分を人のために犠牲にしなければならない」という決断も見えます。

      こういった決断が集合されていって、児童期くらいまでに人生脚本を決定します。

      児童期以降の人生:脚本強化行動

      人は脚本を決定した後も、無意識に脚本通りの人生を演じ続けています。

      とくに人生脚本は、その人が大きなライフイベントに直面したときに、それに対してどう進むかどうかという決定に大きな影響を与えます。

      例えば、進学・就職・転職・恋愛・結婚・離婚などに直面した時に、脚本の影響を大きく受けた決定をしているわけです。

      そして、脚本に従った決断を下し、脚本通りの人生を演じる度に自身の脚本を強化しているのです。

      「今度こそ、今までと違う人間関係を選ぶんだ」と、今までと違う決定をしている感覚になっているかもしれませんが、無意識に脚本の影響を受けた決定をしています。

      周りを見回してみてください、小さい頃に周りに居た人たちと似た役割の人がいませんか?

      そして、自分は幼い頃と同じ役を演じていませんか?

      先の例であれば

      「仕事なんだからもっと自分を犠牲しろ」「楽しんで仕事するとはどういうことだ」みたいな

      メッセージを出している社長や上司や同僚やパートナーや友達がいるかもしれません。

      それに対して自分は「やっぱりそうだよな。自分を犠牲にすべきだ」「自分は人生を楽しんではいけない」と、「自分の人生は苦労」という無意識の選択、行動していく。

      このようにしながら、小さい頃に決定した脚本を強化していきます。

      「どうしていつも最後はこうなるんだろ」とか「結局、またこうなった」のような経験はありませんか?

      それは、あなたの人生脚本の強化行動からきているものでしょう。

      もし人生脚本が非建設的なものであったら

      もし自分の人生脚本が非建設的なものであった場合、どうすればいいんだろうか。

      それは脚本を書き換えることが必要になります。

      過去に行った自分自身の決定【決断】を【再決断】することによって人生脚本を建設的ものに変えます。

      本来の決断の信条は一人一人固有のものですが、ロバート・グールディングとメアリー・グールディングは、臨床で繰り返し現れる脚本の基底をなす包括的なテーマがあることに気がついた。

      これを【禁止令】といいます。

      グールディングらが提唱した禁止令は12ですが

      臨床研究が進んで、現在は25の禁止令が提唱されています。

      ▼生存に関する禁止令のカテゴリー

      1.存在するな-自分は間違った存在だ。承認、評価、羨望を勝ち取るという固い決意がある。

      2.健康であるな(自分の世話をするな)-私はくたくたなのに誰も世話をしてくれない。

      3.信頼するな-人は裏切る。信頼できるのは自分だけ。人をコントロールしたい強い欲求がある。

      4.正気であるな-憎しみの気持ちが拭えない。恨んで許せない。自分だけが正常で周りはおかしい。

      5.触れるな-自分は誰からも優しく触れてもらえない。「何事にも傷つかない」という態度をとる

      ▼人間関係に関する禁止令のカテゴリー

      6.近づくな(親密になるな)-本音で話せない。人を警戒している。理想の愛を探し求める。

      7.愛着を感じるな(どんな愛情も感じるな)-私は見捨てられる。強い独占欲を持ち人を操ろうとする

      8.属するな-私は仲間外れだ。孤立して距離を置くパターンがある

      9.子どもであるな-他人の望みに合わせてしまう。人の世話をするのが習慣になる。自分は後回し。

      10.関わるな(情緒的に)-仕事や実用的な世界が最優先。リアルなこと・現実的なことしか興味がない

      ▼自己に関する禁止令のカテゴリー

      11.お前であるな-自分の生まれ持ったものを否定している。非のうちどころのない人間になってみせる

      12.離れるな-衝突を避けるために相手の言いなりか、相手を避ける。意見を言わない。

      13.見えるな-自分自身を恥じている。又は、問題がないかのように表向きな自分しか見せない。

      14.重要であるな-自分は何の価値もない。そしてプライドが高い。競争心が強く他者と比較している。

      15.欲しがるな(欲求をもつな)-人からの承認を得るために自分の望みを諦める。自分がわからない。

      ▼能力に関する禁止令のカテゴリー

      16.(決して)成し遂げるな-失敗ばかりで十分にできていない。頭の中はいつも挫折感でいっぱい。

      17.成長するな-世の中が怖い。何をすればいいのか全く分からない。

      18.考えるな-正解がほしい。正解だというのにしがみつく。

      19.成功を感じるな-いつもまだ足りない出来てないことに対する自責。自分のこと以外も責任を感じる

      20.するな(自由に振舞うな)-不安で決められない、動けない。自分のすることは何もかも間違っている。

      ▼安全(の感覚)に関する禁止令のカテゴリー

      21.楽しむな-時間に追われイライラし急ぐことで自分を気分良くしている。予定でいっぱいにする。

      22.感謝するな-不満。満足することがない。常にもっと手に入れたがっている。

      23.感じるな-感情などのつまらないものに関わっている時間はない。感じることは良くない、危険。

      24.くつろぐな(安全を感じるな)-絶え間なく警戒している。気が抜けない。いつも体が緊張している。

      25.幸せであるな-いつか幸せを手に入れてみせる。幸せの未来を追い求める。今ある幸せに気がつかない。

      禁止令について今回は、簡単な説明にとどめておきますが、

      みんながみんな、書いてある文字通りとは限りません。

      こういう意味合いの考えや気持ちや行動をしていますよというものです。

      人生脚本シリーズとして、25の禁止令について後に詳しく解説します。

      こころの保健室ができること

      こころの保健室では人生脚本の書き換えができます。

      10人いたら10通りの人生脚本が存在します。

      みなさんのドラマは、禁止令が組み合わさり他の要素が組み込まれたオリジナルの脚本です。

      自分の人生なのに、主役が自分自身とは限らなんです。

      自分の人生にもかかわらず、自分はエキストラだったり、主役の引き立て役や表舞台に出てこない、

      という脚本も珍しくありません。

      もし人生脚本が非建設的なものであったら

      いつからでも、何歳からでも遅いということはございません

      人生脚本の書き換えをしていきましょう。

      傾聴や認知の修正も大切ですが、それだけにとどまらず、幼い頃に内面で決断しものを再決断するカウンセリングを実施してきています。

      それは、なにか特別なカウンセリングをするというものでもなく

      いつものカウンセリングはすでに脚本に関わるものを自然と扱うことが多いです。

      これまで通りに、こころの保健室では内面から変わるカウンセリングで根本解決をしていきます。

      ■次回について

      人生脚本を書き上げるためには、たくさんの素材が関わっています。

      人生脚本シリーズとして、次回は人生脚本はどのようにして形成されるのか

      「人生脚本の形成」について解説したいと思います。

      カウンセリングオフィスこころの保健室

      公認心理師 / 梶間久美子

執筆者プロフィール
梶間久美子
公認心理師
心理カウンセラー
梶間 久美子
KUMIKO KAJIMA
こころの保健室のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
梶間久美子は、愛着の無意識レベルのことから、嫌われる怖さ、居場所のなさ、劣等感、自信がないなどの自己に関するお悩みや、様々な人間関係のお悩みなどの根本解決を支援する公認心理師です。
あなたが諦めないかぎり、わたしは諦めない。

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