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カウンセラーブログ

    • 2024.10.21
      • 人生脚本

      人生脚本(life script)⑧/ 人生脚本の性質と脚本強化行動(青年期以降)

      群馬県伊勢崎市の公認心理師、心理カウンセラーの梶間久美子です。

      これまでこのブログの中では、人生脚本人(life script)について①~⑦で詳しく解説してきました。

      ・人生脚本とはなにか

      ・脚本を書き上げるまでに、どのような素材が関係しているのか

      ・乳児期・幼児期・児童期の各時期に人生脚本をどのようにして形成していくのか

      などです。

      今回は、■人生脚本の性質 ■青年期以降について ■こころの保健室でできること

      をお話ししたいと思います。

      ■人生脚本の性質

      改めて、ここで人生脚本の性質について6つの要点から解説したいと思います。

      1.人生脚本は無意識の人生計画

      人生脚本は人が生まれてから、だいたい児童期までに書き上げる自分の人生計画です。

      「自分はこう生きよう」「自分の人生はこんなもんだ」と、ひとりひとりがオリジナルの脚本を書き上げています。

      自分の人生をどのように生きるかという計画が脚本です。

      人生設計とは違います。成人になって自分の生き方を振り返りこれまでとは違う生き方をしようと人生設計をたてたとします。

      この人生設計が、人生脚本と相容れないものだとしたら、無意識にも小さい頃に書き上げた人生脚本に従った生き方を選択していきます。

      人生脚本の形成には、強烈な感情が伴っています。乳児期には生きるか死ぬの強烈な感情です。

      赤ちゃんのあなたが選びようがないこの環境を生き抜くためには、その人生脚本でなければならなかったと言えます。

      もちろん脚本の形成には他にも素材はあります。それは人生脚本シリーズ①~⑦で話してきました。

      (人生脚本①~⑦もご覧ください)

      脚本は、幼い子が生き延びるための【サバイバル読本】と言えます。

      2.脚本は「報酬」を目指している

      どの人の脚本も、ある結末に向かっています。

      結末には3つのあると言われて、それぞれの結末には特有の報酬があります。

      私たちの脚本はその報酬を目指しているのです。

      ①勝者になること:報酬が幸福または充足感で、公言した目標を成功裡に達成する。

      たとえば、子ども心に億万長者になると決心し、幸福で充足感のある快適な億万長者になれば勝者と言えます。

      もし、一文無しの隠遁者になろうと子ども心に決心し、自分の洞窟の中で幸福と満足感で暮らすその隠遁者になっとすれば勝者になったと言えるでしょう。

      大切なのは周りからみてではありません。

      そして重要なのは、単なる達成や成功ではなく、それに伴う幸福感・充足感・快適度という報酬なのです。

      『勝者』とは、単に物質的な物やお金の蓄積した人と同義語で無いことがわかって頂けると思います。

      ②敗者になること:報酬が苦痛を伴ったり破壊的である脚本、または公言した目標を達成しない者。

      決意した目標を達成しないため、いつも惨めである。不可解な目標、現実的ではない目標を達成しようしている。

      子ども心に、億万長者になると決心し、一文無しの隠遁者で終わったとすれば敗者と言えるでしょう。

      億万長者になると決心し、億万長者になったけれど胃潰瘍とビジネスのプレッシャーでいつも惨めでいるとすれば敗者と言える。

      もし、隠遁者の洞窟を手に入れ、そこでの自分が貧しいこと、湿気が多いこと、友達がいないことなどに不平不満を漏らしているすれば敗者と言えるでしょう。

      そして不可解な目標やファンタジーな現実的でない目標を持っている場合もあります。

      たとえば「白馬に乗った王子様を待っている」「女神を探している」としたら、その目標はいつまでも達成されることはありませんから惨めさを報酬として味わうことになるでしょう。

      『敗者』とは物質的に乏しい人を指すものではないのがわかっていただけると思います。

      ③勝てない、または平凡な脚本どっちつかずの存在。リスクを冒さず、平凡に生きる。特に目立ったこともなく、ごく普通に人生を終えてしまう脚本。

      この脚本を演じる人は、トラブルを起こすこともなく、みんなと同じレベルに達すると満足し、敗北しても発憤しません。自分のもてる力(ちから)をフルに発揮せずの終わってしまいます。

      ◆幼い子どもが自分の人生脚本を書くときには、結末をその脚本の重要な一部として書きます。

      したがって脚本の幕開けからずっと話の筋書きはすべてこの結末に向けて計画されています。

      大人として自分の脚本を演じるときに、私たちは自分の脚本の報酬により近づけるような行動を意識せずに選んでいます。

      ここで梶間は強調したいことがあります。

      それは、脚本に良い悪いはありません。ということです。

      先に話したように、脚本は生き延びるために書き上げています。その人にとってはその脚本でなければならなかったものです。

      全ての脚本は尊いものです。これは私がカウンセリングで支援させて頂く時の大前提です。

      その上で、大人になったあなたがどう思うかです。

      敗者の脚本の報酬でよいんだ、という人はいるでしょう。

      勝てない脚本の報酬がいいんだ、とい人もいるでしょう。

      自分は今までの報酬はもう嫌だ、これからは幸福を味わう人生にしたいという人もいるでしょう。

      これはあなたの人生です。あなたがどうかが最も重要なのです。

      3.脚本は子ども自身の決断に基ずく

      両親から同じメッセージを受けても、きょうだいによって生き方(脚本)が異なることからわかるように、脚本は子ども自身の決断(早期決断)によって作成されるものです。

      ※早期決断については、【禁止令】として後に別のコマで解説いたします。

      要約すると、あなたの脚本は親が書いているのではありません。

      脚本は、全ての人が自分で書き・自分で決定しています。

      4.脚本は両親によって補強されたもの

      小さい頃に決断するものに基ずいて作成された脚本は、その後の両親のメッセージによって更に強化されます。

      例えば、「自分を大切にするな」という決断に基づいて脚本を形成してしている幼い子どもにたいして、

      父親:子どもに対して「体を大切にしなさい」と言葉では言っているが、父親自身は休まず身を粉にして働き続け病気になっている。

      母親:子どもに対して「体に気をつけなさい」と言葉では言っているが、身を粉にして働き続けている父親の行動に対して同調や補強をしている。

      この子は「自分を大切にするな」の脚本部分を、親の生き方・サンプルによって強化していくでしょう。

      子どもは、親の発する言葉よりも、

      親の生き方・態度・表情・雰囲気・空気感などの非言語的メッセージの方を取り入れ、心に刻み込んでサンプルとしていきます。

      5.現実は脚本を“正当化”するために再定義される

      人はいったん脚本を作成すると、それに基づいた知覚の仕方に従って現実を取捨選択し、脚本に合った現実だけを受け入れて、それ以外は否認することで脚本を正当化します。

      例えば、自分にとってネガティブな事実だけを集まて、ポジティブな事実は見ない・否認する。

      またはその逆もあります。

      自分の脚本に合ったフィルターで見て、脚本に合わないものは選択しないのです。

      なんなら自分でシチュエーションを作ってしまう場合もあります。

      例えば、「そのままの自分は価値がない。人の役に立つ自分は価値がある」という脚本形成をしている中で、

      お母さんがお父さんに一生懸命に尽くしている。大人のお父さんなら自分でできることまでやってあげている。お父さんから頼まれてもいないことまでお母さんはお世話している。

      お父さんの気持のお世話もする。機嫌をとったり、顔色を伺って、なだめたりすかしたりお父さんが気分が悪くならないようにしている。

      その結果、お父さんは自分んで自分のことを(自分の感情のコントロールも)しなくなっていきます。

      お父さんの文句を言いながらも、お父さんの役に立っているような時のお母さんはなんだか嬉しそう。

      この両親の生き方・サンプルで、子どもは「人の役に立つ私だったら価値がある」を強化します。

      そして、大人になってパートナーと関わっていく中で、自分が役に立つ必要がありますから

      パートナーが自分でできていたことまでお世話をしていきます。

      機嫌が悪くならないようにパートナーの気持の面倒までみていく。

      親のサンプルで補強されていますから、そこになんの疑問も持ちません。

      そうして、無意識にもパートナーを「ダメンズ」にするシチュエーションを作ってまで、自分の脚本を正当化していくのです。

      脚本の数だけで、シチュエーションの作り方もバリエーションがあります。

      また、自分の脚本に合うように、個人が現実を歪曲して認知することを『再定義』と言います。

      実のところ、人は現実をありのままを見てない。

      自分の脚本に合うように現実を歪めて自分に取り込んでいます。

      脚本に合わないものは見ていても見えていません。

      見ていても無視しています。もちろん誰もが無意識レベルでやっています。

      例えば、大事なプレゼンテーションを前にして「どうせ自分は失敗する」という脚本の影響を受けて、現実以上に難しく感じてしまう。

      例えば、好きな人に対して「どうせ人は裏切るもんだ」という脚本の影響を受けて、必要以上に疑い深くなったり、警戒してしまう。など。

      ・自分の脚本を正当化できない現実は見ない・無視する。

      ・自分の脚本を正当化するために現実を歪曲(再定義)する。

      このようにして、人は誰でも日常のなかで自分の脚本を正当化をしています。

      6.脚本は気づきの外にある(それゆえ同じことを繰り返す

      いったん脚本を書き上げたら、人は脚本という枠の中にいます。

      自分の脚本の外から眺めることはできないのです。

      「あぁ、この選択は私の脚本通りになってしまう。じゃ違う選択をしょう」なんて客観的に捉えることはできないのです。

      だから、気づかない。

      気づかないから繰り返すんです。

      繰り返す度に、自分の脚本をどんどん強化して揺るぎないものにしていきます。

      ■青年期以降について脚本強化行動

      青年期以降は、いったん書き上げた脚本を何回も何回も繰り返していく行動に入っていきます。

      登場人物はその都度、代えていきます。

      小さい頃はお父さんやお母さんだったものを、

      友達にしたり、パートナーにしたり、同僚や上司にしたり、その都度で人はいろいろ代えていきます。

      登場人物を代えつつ脚本を繰り返しながら人生を進めていきます。

      こうしなが青年期以降は脚本強化行動をしていきます。

      ▼やっぱり自分は・・・

      ▼やっぱり人は・・・

      ▼やっぱり世の中は・・・

      自分・他人・世の中に対する信条を強固なものにしていきます。

      私も、自分の脚本からは抜け出せないので、客観的に捉えることはできませんでした。

      それが脚本通りにやっているなんて思ったこともなかったです。

      若い頃は思いましたよ。友達にも堂々と言っていました。

      「彼は、今までの男性とはちがうの!」って。

      でもね、ちゃんと脚本通りでした。

      その証拠に最後は「やっぱり男性って頼りにならない。全くあてにならない」と味わっていましたもん。

      私は「男性って頼りにならない。全くあてにならない」のフィルターを通した現実世界を捉えるわけです。

      現実には、頼りになる男性や私に親身になって助けてくれる人はいるはずなのに、私の脚本に合わない現実は見ない・無視します。

      現実を脚本に合うように歪めて認知(再定義)しているわけです。

      たとえ誠実に「頼っていいんだよ・助けるよ」という人が出てきても、わざわざ断られるような現実的には無理だろうというお願いする。

      断られたら「ほら!やっぱり男性はあてになんかできない。私を助けることなんてできやしない」と脚本の強化行動をしていくわけです。

      「やっぱり男性は・・・」を正当化するために自分でシチュエーションを作っていたわけです。

      もちろん無意識レベルでやります。

      いまなぜ、それに気づけているかというと、私は脚本を書き換えたからです。

      だから元々の脚本を、今の私は外から客観視できるのです。

      脚本が変わっている今は、「性別に関係なく、世の中に頼れる人は存在する」になりました。

      小さい頃の脚本のままでは、「世界中の男性は頼りにならない。あてにならない」という意味ですから、

      脚本を構成していたここの部分だけを見ても、人生において大きな変化です。

      ■こころの保健室でできること

      みなさん、どうか勘違いしないでください。

      脚本はいったん書き上げて、人生を決めてしまったら変えられないと思わないでください。

      人生脚本は、書き換えることができます。

      それには正しい知識と技能を持っている専門家の支援が必要です。

      そして、こころの保健室では、人生脚本の書き換えるカウンセリングを実施しています。

      でもなぜ、脚本を変えられるのか?と疑問におもいませんか。

      答えは、自分で書いた脚本だからです。自分で書いたから、自分で書き直しすることができるのです。

      もし親が書いていたとしたら、親を変えないといけません。

      私たちは、自分以外の他人を変えることはできません。

      親を変えることができないとしたらあなたの脚本の書き換えもできないことになります。

      自分で書き上げた脚本だから、いつからでも書き換えができるのです。

      ひとりでは無理でも、助け手がいたら可能になります。

      人生脚本は全ての人がオリジナルです。

      だから、こころの保健室のカウンセリングはオーダーメイドです。

      人生100年時代。

      これからの人生をあなたはどう生きたいですか。

      自分の人生を振り返った時に、

      もう同じようなことは繰り返したくない。

      もう同じよう気持ちを繰り返し味わいたくない。

      これまでの人生のパターンからはもう抜けたい。

      他、なにかで悩んでいる方がいたら遠慮なくお問い合わせください。

      悩みに大きいも小さいもありません。

      心の専門家として、最善を尽くしてカウンセリングさせて頂きます。

      カウンセリングオフィスこころの保健室

      公認心理師 / 梶間久美子

執筆者プロフィール
梶間久美子
公認心理師
心理カウンセラー
梶間 久美子
KUMIKO KAJIMA
こころの保健室のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
梶間久美子は、愛着の無意識レベルのことから、嫌われる怖さ、居場所のなさ、劣等感、自信がないなどの自己に関するお悩みや、様々な人間関係のお悩みなどの根本解決を支援する公認心理師です。
あなたが諦めないかぎり、わたしは諦めない。

あなたをこころの保健室で待機しています。
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