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カウンセラーブログ

    • 2024.11.04
      • 交流分析

      交流分析 / 心理ゲーム②愛情獲得手段の再演

      群馬県伊勢崎市の公認心理師、心理カウンセラーの梶間久美子です。

      心理学は奥深くて、幅広いです。

      まだまだお話ししたいことはあるのですが、このブログで何をどこまで話そうか、どこまで話していくのがよいのかと想い巡らしています。

      直接会って話すのと、文字では違うので私の表現で伝わることを願いながら綴っています。

      前回に引き続き、交流分析の重要な部分である【心理ゲーム】について解説いたします。

      【心理ゲーム】は、私たちの時間の過ごし方で、6つのうちのひとつでした。

      1.引きこもり

      2.儀式

      3.暇つぶし

      4.活動

      5.ゲーム(心理ゲーム)

      6.親密さ

      (※詳しくは人生脚本(life script)⑥/ 人生脚本の形成(児童期)をご覧ください)

      このように、心理ゲームは親密さの一歩手前の時間の過ごし方です。

      心理ゲームとは

      既に何度か話していますが、初めて『心理ゲーム』についてご覧くださる方にも分かっていただけるように、心理ゲームの定義からお話しします。

      【心理ゲームとは】

      ①何度も繰り返し行われる(日常的に繰り返し行われる)

      ②長い時間を費やす

      ③後に嫌な気分を味わう

      このような日常的に行われる、嫌なやり取りのことを言います。

      心理ゲームに隠されていること

      ゲームの発端は幼少期です。

      大人になった私たちが、日々している心理ゲームは

      幼少期における親からのストローク(心の栄養)の獲得手段の再演です。

      幼い頃に身につけた技なんです。

      寂しい時、愛情が欲しい時、自分を見てほしい時、認めてほしい時にどうやったら親からそれがもらえるかを、自分で見つけ出した技なのです。

      愛情が不足しているとき、寂しくてたまらないとき、どうやって親から引き出すか。

      子どもの頃、それをやったら愛情が引き出せたんです。

      「お母さん、私も抱っこして。弟みたいに抱っこして欲しい」

      「何言ってんの。赤ちゃんみたいなこと言って」

      素直に言っても愛情はもらえませんでした。

      寂しい、私も抱っこして欲しい。でも正直に話してもそれはもらえない。

      おとなしく、いい子にしてても私にはこない。

      お母さんが怒ったときは、私にだけ目を向けてくれる。弟はほおって置いても私にだけ真剣になってくれる。

      「嫌なやり取りだけれど、ふだんもらえない濃いものがお母さんからもらえる」

      「お母さんが弟を抱っこするのをやめてまで私を注目してくれる」

      「お母さんが嫌がることをしたらいいんだ」「お母さんが怒るようなことしたらいいんだ」

      素直なやり方ではないし、正直なやり方ではない。

      屈折した愛情のもらい方だけれど、その人にとったら親からの愛情の引き出し方なんです。

      大人になった今も、愛情が欲しいとき、寂しいとき、私たちは幼いときに身につけた愛情獲得手段を繰り返し再演します。

      これが、心理ゲームにかくされている、とってもとっても大切なことです。

      だから「心理ゲームは悪いこと」とか「心理ゲームをやる人はよくない人」としないでください。

      誰だって愛情がほしい。なので誰もが心理ゲームをするんです。

      親密な関わりを求めての切ない努力

      心理ゲームは、その人にとったら親からの愛情を引き出す技です。

      楽しくないし、嫌なやり取りだけれど、自分が本当は愛情をもらいたい相手とします。

      だがらゲームをする相手は、親子、夫婦、友人、職場の人、近所の人、きょうだいなど近しい人で演じられやすいです。

      嫌なやり取りだから、嫌いな人とすると思うかもしれませんが、実は違います。

      本当は親密になりたい人。本当は愛情をもらいたい相手。

      本音で話す。本音で話すということはその分、傷つくリスクも高くなる。

      正直に話したのに、拒否されたら傷つき度合いもそうとうなもんです。

      「お母さん、私も抱っこして。弟みたいに抱っこして欲しい」

      「何言ってんの。赤ちゃんみたいなこと言って」

      平気な振りをしているけれど、本当はとっても傷つている。

      本当は、愛されたり親密になりたい相手なわけだから、拒否されたショックも本当に大きいです。

      本音は怖い。けれど分かってほしい、愛情をもらいたい。

      だから、親密さの一歩手前の心理ゲームをします。

      心理ゲームは『親密さな関わりを求めての切ない努力』なのです。

      自分がもし、夫、妻、パートナー、友人、会社の同僚など近しい人と心理ゲームをしているとしても

      「自分はダメなんだ」と思わないでください。

      「本当はこの人と親密になりたいんだな」「本当はこの人から愛情をもらいたいんだな」と自分のこと思ってあげてください。

      ゲームの特徴

      ①社会的レベルと心理的レベルの交流

      心理ゲームは、社会的レベルと心理的レベルの交流を同時にしています。

      ・社会的レベルとは、表面。建前。それだけを見ても「どうして嫌な気持ちになるのかわからない」といったようなもの

      ・心理的レベルとは、裏面(りめん)。言葉にしていない裏のメッセージ。

      心理ゲームは、表と裏のやり取りで進行していきます。

      『イエスバット(はい、でも)』の事例からみてみましょう。

      例えば、あなたの友人で「悩んでいるので相談したい。アドバイスがほしい」という人がいます。

      あなたは「もちろんいいよ。相談のるよ。私ができるアドバイスはするよ」と会話が始まりました。

      あなたは自分なりに考えてアドバイスをします。「○○がいいと思うよ。私には効果があったよ」と。

      それに対して友人は「それいいね。でも○○…」と返してきます。

      あなたは自分なり考えて友人に良かれと思って別のアドバイスをします。

      それに対して「それもあるね。でも○○…」と返事が返ってきました。

      更にあなたは、別のものを考えて「そしたら△△はどう?専門家が△△が効果があるって言ってたよ」

      それに対して友人は「専門家が言ってたことならいいかもね。それってでも○○…」

      「でも」が3回続きましたね。

      「でも」が3回以上続くやり取りを『イエスバット(はい、でも)』のゲームと言います。

      優しい気持ちでスタートしたはずなのに、最後はお互いに嫌な気分で終わります。

      社会的レベルの交流

      友人「悩んでいるんだ。話を聞いて」

      自分「いいよ。話を聞くよ」

      心理的レベルの交流

      友人「あなたの言う通りにはしない」

      自分「私が何とかしてあげる。私の言うことを聞きなさい」

      こういう気持ちが隠されています。

      心理ゲームは、相手には心理的レベルの気持ちの方が伝わります。分かってしまうと言われています。

      表面では優しい言葉をかけてもらっているのに、なぜが居心地が悪いなどは、相手の裏面・心理的レベルが分かってしまうからです。

      ②最後に味わう結末感情

      その人ならではの不快感情があります。

      固有の不快感情。

      イライラを感じやすい人もいれば

      相手を責めたい気持ちになりやすい人もいれば

      自責でいつも自分を自分で責めている人もいます。

      不快感情も、その人、その人で慣れ親しんだものがあります。

      心理ゲームの最後には、それぞれ固有の不快感情で終わります。

      ③からくりに気づいてない

      「これは心理ゲームなんだ」ということ自体に気づいていません。

      いつもやっているやり取り。

      そして、そのからくりに気づいていないません。

      ④相手を変えようとする意図

      心理ゲームをしているとき、相手を変えようとする意図が多いです。

      「こうなってほしい」という方向に仕向ける。

      はっきり言わないで、率直に言わないで仕向けます。

      『イエスバット(はい、でも)』で考えるならば、アドバイスしている時の自分は「私の言うことを聞きなさい」という相手を変えようとする意図がありましたね。

      ちょっとしたやり取りだけれど、見かけるケースだと、

      仲間に入れてほしい。けれど自分から「私も仲間に入れて」というのは怖い。

      だから「みんないつも楽しそうでいいね」「私もみんなと同じ趣味してるんだ」

      なんて言ってみて、向こうから仲間に入れてくれように仕向ける。

      言われた方は「なんか嫌味言われた?」という気分になりつつも「仲間に入りなよ」と言いたくなる。

      こんなふうに、相手を変えようとする意図があることが多いです。

      誘惑のゲーム

      ゲームはたくさんあります。代表的なゲームには名前が付いています。

      代表的なゲームの中から今回は女性が仕掛けやすい、男性を誘惑するゲームについてお話しします。

      『ラポのゲーム』と言います。別名『誘惑のゲーム』

      女性が男性に仕掛ける場合、その女性の『男は信用できない』『男はみんな狼なんだ』『男はきたない』『男は・・・』というような信念を証明するためのゲームです。

      仕掛ける女性は、その男性を口説いてるつもりもないし、好意が特別あるわけでもない。

      誘うつもりもないし、相手の男性に合わせてるくらい。

      けれどピタッと合わせてくるし、上手に合わせてくれるし、さりげなくスキンシップをとられるから男性は誤解します。

      「この女性は自分に好意があるんだろうなぁ。」と思ってきます。

      男性からしたら、会うたび会うたびそんなふうにされるから、

      食事に誘ったり、デートに誘うわけです。

      その途端、女性から拒絶がきます。

      ラポのゲームは、相手を拒絶したいゲームなんです。

      仕掛けた女性は「私は全然そんな気ないのに、勘違いしてて怖い」「この人何言ってんの!いやらしい人」というような態度や様子になるでしょう。

      最初はいい感じだったのに、最後はお互いに嫌な気分で終わります。

      そして『ほら、やっぱり男性は信用できない』『ほら、やっぱり男性は狼なんだ』が証明できました。

      裏のメッセージは『男をなんとかしてやっつけてやる』です。

      幼い頃にお父さんに裏切られたとか、お父さんに愛されなかったと感じている女性がこのゲームをしやすいと言われています。

      ゲームの特徴であったように、心理ゲームを演じている双方には、「これが心理ゲーム」だなんて気づいていません。

      人はみんな愛おしい存在

      ラポのゲームする人だって、イエスバットのゲームをする人だって、他のゲームだって

      元をたどれば、ただ親から愛されたいだけだった。ただ親に甘えたいだけだった。

      幼い頃、素直に愛情をもらいにいったら拒否されたんです。

      すごく傷ついたんです。

      でも、愛されたい。愛情をもらえないと、ものすごく寂しいんだ。

      だから、どうにかして傷つかないようにしながら愛情を引き出せないか。

      そして見つけたんです。まだ幼いのに良い方法を見つけたんです。

      見つけたから、大事な技にしたんだ。

      愛情の獲得手段の技を身につけた。

      そう考えると、人はすごいです。

      全ての人は愛おしい存在です。

      心理学は知れば知るほど、自分と他者に優しさをもたらしてくれます。

      だから私は心理学が大好きなんです。

      心理学という、優しさがいっぱい詰まった理論と技法

      私はこれからもクライエント様の支援をさせて頂きたいと強く望んでいます。

      こころの保健室ができること

      カウンセリングを受けていくと、これまで日常化していた人との嫌なやり取りが減っていきます。

      カウンセリングによって『心理ゲーム』をする時間が減って、その代わりに人との関わりが心地良いものになっていきます。

      変化の理由にはいろんな要素がありますが、

      幼少期の親とのことをが解決されていったり、未消化の気持ちや感情をカウンセリングで丁寧に拾い上げて、ただただ受け入れられていく、ただただ受け入れていく、人との関わりにも”いい影響”となって現れてきます。

      こころの保健室で実施しているカウンセリングは【屈折した愛情のもらい方】や【性格の癖】を根本から解決する面があります。

      カウンセリングは、人との嫌なやり取り(心理ゲーム)から心地良い親密な関係への変化を可能にします。

      自己に関する悩み

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      などを抱えている方がいらしたら、こころの保健室ホームページからお気軽にお問い合わせください。

      悩みに大きいも小さいもありません。

      あなたが諦めないかぎり、私は諦めない。

      一緒に解決していきます。

執筆者プロフィール
梶間久美子
公認心理師
心理カウンセラー
梶間 久美子
KUMIKO KAJIMA
こころの保健室のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
梶間久美子は、愛着の無意識レベルのことから、嫌われる怖さ、居場所のなさ、劣等感、自信がないなどの自己に関するお悩みや、様々な人間関係のお悩みなどの根本解決を支援する公認心理師です。
あなたが諦めないかぎり、わたしは諦めない。

あなたをこころの保健室で待機しています。