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2024.10.07
- アサーション
アサーション/人間関係でストレスの多い人向け
群馬県伊勢崎市の公認心理師、心理カウンセラーの梶間久美子です。
みなさんは『アサーション』とか『アサーティブなやりとり』など聞いたことがあるかもしれません。
こころの保健室では、特に以下のようなお悩みを抱えているクライアント様には『アサーショントレーニング』をカウンセリングに組み込んでいます。
▼自分の意見を言うのが苦手な人
▼断れない人
▼人間関係のストレスが多い人
トレーニングと聞くと厳しく思われるかもしれが実際にやっているのは、
カウンセリング時間の5~10分位を使って伝え方の練習を一緒に練習しています。
日常で自分の意見が言えることで、自信がつく・自己肯定感が上がってきます。
今回はその【アサーション】について解説いたします。
■アサーションとは
【アサーションとは】
『自分も大切にしながら、意見や考え・気持を率直に正直に、その場にふさわしく表現すること』
・相手にノーと言わせない説得の方法ではない
・正解はない
・「No」と言われることを怖れないこと
・違っていることが当然、立場、地位、価値観が違う
・思ったことを率直に言うと葛藤が起きる
・違いであって、間違いではない
・葛藤を回避するようにではなくて、なるべく互いが理解しあえるように言う
自分を表現したり、または自己主張するとき、好ましくないやり方で行うと人間関係がうまくいかなくなることがあります。
私も自分の考えや意見を出すときに、言いたいことが言えずに人間関係がうまくいかなくなった経験があります。
しかし、好ましい方法で行うことで、自分の意見を相手に伝えることができます。
それにより人間関係も良いものになっていきます。
■アサーションの背景
▼1950年頃のアメリカで精神医学の領域で、うまく自己主張ができない患者に対する行動療法としてアサーションという手法が誕生
▼1960年~70年代、アメリカにおいて人種差別や性差別に対する人権運動が活発に。
社会的立場の弱い人々が声をあげる手法として発展
■3つの自己表現
1.アサーティブ(assertive) : 自他尊重の自己表現
自分の気持ちや考えを大切にする一方で、相手の配慮も忘れない自己表現スタイル
人を傷つけたり、自分の考えを強引に押し付けたりせず、相手の立場やその場の状況に応じて適した表現方法を選ぶことができる。
人生の基本的立場 I’m OK ,You are OK(私はOK , あなたはOK)
ご提案して許可を得たうえでアサーションをカウンセリングに組み込んでいるクライアント様たちは、
自分の意見を言うのが苦手だったり、苦手ゆえに自分の意見をのみこんで言えなかったり、
相手が嫌な気持ちにならないように相手の配慮だけしてしまい、自分のほんとうに言いたいことと違うことを言ってしまう。
または、ほんとうは違うのに「違う」と言えなかったり
ほんとうは断りたいのに「いいよ」と言ってしまう。
このような方々です。
だから、もともと人を傷つけたいと思っているような方々ではないです。
そして、もともと自分の意見を強引に押し付けたいというような方々ではありません。
けれど、言いたいことが言えなかったり、本当の気持を呑み込んだり、断れなかったら
日々のストレスが溜るのは容易に想像ができると思います。
心の仕組みでは、人はずっと相手にだけ配慮して合わせたり、言いたいことを我慢したりはできないようになっています。
いつか限界がきます。
限界がきた時は貯まった分爆発して、相手を責める言い方になったり、大きな声で言いたくなったり、嫌みな言い方になったり、自分の考えや気持を押し付けたくなります。
もともとご本人が全く望まないことをしてしまい、結果として自分を否定してしまいます。
こようなストレスのサイクルから抜け出す手法に【アサーティブな表現】があるわけです。
相手の配慮もしつつ、自分の気持ちや考えを大切にする自己表現スタイルを一緒に身についていきます。
2.攻撃的(aggressive) な自己表現
自分が中心で相手を尊重しない、相手を思い通り動かそうとする表現スタイル
自分のことだけを主張し、相手の気持ちを考慮しないので、相手に不快な思いをさせがち。
また、口調や態度が優しくても、相手に選択の余地のない状況で従わせるなど。
人生の基本的立場 I’m OK ,You are not OK(私はOK , あなたはOKでない)
3.非主張的(non-assertive)な自己表現
自己主張が控えめもしくは苦手で、相手に合わせようとする意識が強い自己表現スタイル
自分に自身がなく自己主張ができない。意見を率直に言えないため、主張が曖昧になったり言い訳が多かったりするのも特徴。
人生の基本的立場 I’m not OK ,You are OK(私はOKでない , あなたはOK)
■重要なのは知識より練習
ここまでアサーションやアサーティブな表現について読んで頂きましたがいかがでしょうか。
知識を得てみて「直ぐにできそう」とイメージできますか。
アサーティブな表現を日常でできるようになるには練習が大切だと考えています。
知識はサラッとで十分です。
実際にカウンセリングでは、クライアント様と実践的な練習を組み込んでいます。
カウンセラーと練習しただけで「言いたいことが言えてスッキリしてる」
そして、言わないときより気持ちはどうかというと
「自分はダメだと思っていたけど、練習してみて自分はいえるんだぁと思えてきました」
と、その場でご感想を頂きました(事例発表の承諾を得ています)
私もアサーショントレーニングを受けました。演習もいたしました。
自分の経験からも、一人では難しいと思います。
理屈では分かったけれど、「じぁ実際にどんな言い方がアサーティブな表現なのかよくわからない」となると思います。
■梶間久美子が最大限に配慮していること
立場によって受けと取り方が違うというのは現実的なことです。
役割・年齢・有資格者である、それらが存在として偉くするとか、価値が変わることはございません。
けれども、公認心理師とクライアントという立場の違いを私は忘れてはならないと強く考えています。
アサーションから考えるならば、立場というのもが既にクライアント様からしたら
威圧的に感じたり、「違います」と言いづらいものにしたり、率直な自己主張がしにくくなる
ということは肝に銘じてこれからも配慮していく所存です。
■こころの保健室ができること
こころの保健室では、通常のカウンセリングにアサーションを組み込んでいます。
アサーションの手法に適しているのは
▼自分の意見を言うのが苦手な人
▼断れない人
▼人間関係のストレスが多い人
こういった悩みをお持ちの方々です。
既に、「職場で上司とのやり取りで、自分の意見を入れられるようになった」「自分が強くなった感じがします」と効果を実感しているクライアント様がいらっしゃいます(事例発表の承諾を得ています)
人間関係のストレスが軽減されて、コミュニケーションがスムーズになっていくのも素晴らしいことですが、
自分の意見が言えるようになったり、断れるようになることで自分に自信がついて、自己肯定感があがっていかれる姿はほんとうに素晴らしいです。
一人では困難なことも二人で一緒にやってみると案外、容易になっていきます。
相手の配慮もしつつ、自分の気持ちや考えを大切にする自己表現スタイルを一緒に身に付けていきましょう。
人間関係で悩んでいる方がいらしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
カウンセリングオフィスこころの保健室
梶間久美子
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梶間久美子は、愛着の無意識レベルのことから、嫌われる怖さ、居場所のなさ、劣等感、自信がないなどの自己に関するお悩みや、様々な人間関係のお悩みなどの根本解決を支援する公認心理師です。
あなたが諦めないかぎり、わたしは諦めない。
あなたをこころの保健室で待機しています。