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  • 2024.09.23

    人生脚本(life script)② / 人生脚本の形成

    群馬県伊勢崎市の公認心理師、心理カウンセラーの梶間久美子です。

    今回は、人生脚本シリーズ②として、人生脚本の形成について交流分析から解説したいと思います。

    人生脚本の形成

    人生脚本の形成には、幼少期の環境からくる様々な刺激を材料に形成しています。

    中でも、人生脚本の内容には、その人が幼少期に周囲の環境からどのようなストロークをあたえられて育った(と認識した)かが大きく影響します。

    これは、両親や周囲の大人たちから語りかけられる言葉や態度が影響するということです。

    ストロークとは

    ストロークとは、ある人の存在や価値を認識する言動や働きを指します。

    すなわち、人から得る全ての刺激がストロークなのです。

    またストロークは両親や周りの大人たちから与えられる、自分の存在や価値の承認ですから、

    心の栄養といえます。

    人は生きるために体に栄養が入ってこないと、元気がなくなったり、体調を崩したり、病気になったりします。

    心も同じです。

    心の栄養になるストロークが少ない又は無いと、元気がなくなったり、体調を崩したり、心や体の病気になります。

    ストロークは心の健全な発達のために欠かせません。

    またストロークは、体の健全な発育にも関係があります。

    心身の健康的な発達には、ストロークは大変重要なものなのです。

    ストロークがほしい『刺激の飢え』

    私たちには、『刺激の飢え』が生まれながらにして備わっています。

    そして『刺激の飢え』を満たして欲しいのです。

    生まれたばかりの赤ちゃんを想像してみてください。

    抱っこしてほしい時、抱っこという刺激の飢えを、全身を使って現します。

    刺激の飢えを感知した親や周りの大人が抱っこすると

    飢えを満たされた赤ちゃんは泣きやんだり、満足感して微笑んだり、すやすや寝てしまいます。

    まさに、『刺激の飢え』が心と体が健康的に発育するために備わっているものといえます。

    『刺激の飢え』は、人生脚本の形成しはじめの乳児期に大きな関わりがありますので

    後に、改めて解説したいと思います。

    ストロークの種類

    ストロークは、「肯定的なプラスのストローク」「否定的なマイナスのストローク」

    そしてストロークがない「ノンストローク-」に大きく分ける事ができます。

    幼少期に両親や周りの大人たちに与えられたストローク(そう認識した)の種類によって、人生脚本形成に大きな影響がでます。

    肯定的ストローク《心地良さ・満足感を与え、存在意味を感じさせるもの》

    抱っこ・抱きしめる・関心を持つ・撫でる・見守る・微笑む・真心で接する・保護する・秘密を守る・信頼する・目を見る・添い寝をする・さする・傾聴する・賛成する・許してあげる・ねぎらう・ほめる・話しかける・一緒に遊ぶ・認める・許可する・間違いを謝る・教えてあげる・勇気づける・「生まれてきてくれてありがとう」「あなたがいてくれるだけで幸せ」「勉強ができてもできなくてもあなたが大切だよ」「失敗してもあなたを認めているよ」顔を見ただけで嬉しそうにしてくれる。

    など。

    否定的ストローク《不快感情を与え、自尊感情を損なわせる》

    叩く・蹴る・げんこつ・にらむ・つねる・見下ろす・機嫌が悪くなる・恥をかかせる・自由を奪う・顔をしかめる・嫌な顔をする・嘲笑する・思考や感情や行動をコントロールする・𠮟る・責める・非難する・強制する・噓をつく・秘密をばらす・馬鹿にする・文句を言う・悪口をいう・陰口・軽蔑する・「お前なんか生まれてこなければよかった」「あなたは何にもいいとこが無い」「あなたはいてもいなくてもどっちでもいい」「たとえあなたが何をしようが認めない」など。

    ノンストローク《否定的ストロークより辛いもの》

    無視・無関心・ほったらかし・目をそらす・聞こえないふりをする・そっぽむく・返事をしない・約束を守らない・抱っこしない・食事を与えない・話しかけない・お風呂に入れない・病院に連れて行かない。など。

    乳幼児期~言葉を理解するまで

    自分は愛されていると確信を持つに十分なストロークを受け取った(と認識した)子どもは、自分の存在を価値あるものであるという【信条】を基に脚本を形成していきます。

    愛情を与えてもらえる自分に対して、そして愛情を与えてくれる親(他者)に対して信頼感を持ちます。

    私たちは幼いながら、このように脚本の基となるメッセージを感じ取ります。

    なぜ、(そう認識した)と書くのかを説明しておきます。

    「お母さんはしかめっ面ばかりで、嬉しそうな顔なんてしてくれなかったぁ」

    「怒られてばっかりで、褒めてもらったことなんてなったかなぁ」

    「テストの点数が良くないとお母さんイライラしてヒステリックになってたぁ」

    「きょうだいには関心があったけど、自分には興味ないしどうでもいいんだろうなぁ」

    こういうストロークを受け取ったと認識している人がいるとします。

    親に、自分が幼いころどんな風に接していたかインタビューしてみてください。

    「どの子にも同じように接してたし、大事にしてたわよ」とか「あなたのこと褒めたわよ」とか「勉強できなくても𠮟らなかったわよ」などなど、

    幼少期の自分が渡されたと思っているストロークと、親の意識にはズレがあるもんなんです。

    人生脚本の形成には、親や周り大人の認識ではなく、幼少期のあなたが認識したストロークが基になるので(そう認識した)と書き添えています。

    言葉が理解できる頃~ / より具体的な脚本形成

    言葉が十分に理解するようになると、さらに具体的な脚本を形成していきます。

    たとえば、自分の存在を価値あるものであるという信条を形成できず

    幼い頃に「自分は存在する価値がない」という信条を形成した場合、親の言葉を理解するようになってから

    “ちゃんと勉強していい成績をとりなさい”という指示を受けて 

    「ちゃんと勉強して親の期待に応えているうちは、自分は存在する価値がある」となります。

    【だからいい成績を取るために頑張らないと、私は存在する価値がない】という生き方を選択していきます。

    このような信条で脚本形成がなされていて、

    たとえば会社の場面では

    「ちゃんと会社(上司)の期待に応えてるうちは、自分は存在する価値がある」という脚本を生きています。

    もしなんからのかたちで、「ちゃんと会社(上司)の期待に応えられなかった」と思った場合は、

    脚本の基になっている「自分は存在する価値がない」の信条を味わうことでしょう。

    家族の場面では「家族のために、ちゃんと期待にこたえなくちゃ。そうしたら自分が存在する価値がある」

    パートナーとの場面では「ちゃんとパートナーの期待に応えてるうちは、自分は存在する価値がある」

    友達との場面では「ちゃんと友達の期待に応えているうちは、自分は存在する価値がある」

    という生き方を無意識にも選択していくでしょう。

    今回のまとめ

    人生脚本を形成するのに、幼少期にどんなストロークを与えられたか(そう認識した)が大きく影響することを解説いたしました。

    幼少期に受け取った(と認識した)ストロークを基にした【信条】で、脚本を形成していきます。

    自分は愛されていると確信を持つに十分なストロークを受け取った(と認識した)のか否か。

    こころの保健室ができること

    こころの保健室では人生脚本の書き換えができます。

    10人いたら10通りの人生脚本が存在します。

    みなさんのドラマは、禁止令が組み合わさり、ストロークや他の要素が組み込まれたオリジナルの脚本です。

    もし人生脚本が非建設的なものであったら

    いつからでも、何歳からでも遅いということはございません

    人生脚本の書き換えをしていきましょう。

    傾聴や認知の修正も大切ですが、それだけにとどまらず、幼い頃に内面で決断しものを再決断するカウンセリングを実施してきています。

    それは、なにか特別なカウンセリングをするというものでもなく

    いつものカウンセリングはすでに脚本に関わるものを自然と扱うことが多いです。

    これまで通りに、こころの保健室では内面から変わるカウンセリングで根本解決をしていきます。

    次回について

    人生脚本の形成には、ストローク以外にも様々な素材があります。

    次回は、人生脚本の形成に関わる他の素材について解説いたします。

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