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カウンセラーブログ

    • 2024.10.14
      • 人生脚本

      人生脚本(life script)⑦/ 人生脚本の形成(児童期)時間の構造化

      群馬県伊勢崎市の公認心理師、心理カウンセラーの梶間久美子です。

      これまで人生脚本について①~⑥を通して、人はどのように自分の人生脚本を形成していくのかを解説してきました。

      今回の記事を初めてご覧になる方は、どうぞ【人生脚本(life script)】①~⑥もご覧になって頂けたら記事の内容がより分かって頂けると思います。ご覧いただけたら幸いです。

      今回は【人生脚本(life script)⑥/人生脚本の形成(児童期)】の発展形として、時間の構造化について違った視点で解説いたします。

      人生脚本の形成には発達段階であらわれる欲求(飢え)が満たされたかどうか、その満たされ方はどうかが影響を与えることは何度かお伝えしてきました。

      【児童期は構造化の飢え】がでてきます。

      構造化とは、時間の構造化のことで、自分の時間をどう過ごすかという欲求です。

      私たちは毎日を何気なく過ごしているようですが、児童期に決めた時間の構造化に無意識にも従って時間を使っています。

      前回の記事で解説したように6つの時間の過ごし方があります。

      6つの時間の過ごし方

      ①引きこもり

      自分の中に引きこもっている・他人と一緒に居ても心理的には離れている

      ②儀式

      無難な挨拶や、昔から伝わる行事など決まったやり方で振る舞う。お正月・入学式・お祭りなど。

      ③暇つぶし

      出来事や趣味についてなどの雑談・「今、ここ」の話ではなく、好きなタレントの話や以前の出来事について自分の興味があることについておしゃべりする。井戸端会議・SNS・長電話など。

      ④活動

      生産的な時間、達成感が味わえるもの。家事、勉強、仕事、具体的な目標のための打ち合わせ、趣味など。

      ⑤ゲーム

      繰り返し行われ長い時間を費やし最後はお互いに嫌な気分で終わる・非生産的なやり取り。ほんとうは親密になりたい人とする。

      ⑥親密さ

      信頼に裏打ちされた裏にメッセージがないやりとり・お互いの感情、考えを共有し最も報酬が大きなストロークが得られる。しかし最も傷つく可能性も高い交流でもある。

      私たちは起きている時間は6つのうちのどれかを選んで過ごしています。

      なににどれくらいの時間を使って過ごすかはひとりひとり違いますが、どういうことを基に人は時間の構造化を決定していくのかを調べていきます。

      人はどのように時間を構造化していくのか? 3つの要素

      (1)自分はOKなのか否か、他人はOKか否か

      これは基本的な構えで、人生における自分の立ち位置です。

      自分の立ち位置を証明するために人は時間の構造化を行います。

      では、OKとはなにか、OKでない、はなにかからお話しします。

      『OK である』とは

      ・安心感がある・愛されている・生きている価値がある・楽しい・できる・やればうまくいく・自己実現している、など。

      『OK でない』とは

      ・安心できない・愛されるに値しない・何をやってもダメ・劣る・自己実現していない、など。

      《OK牧場》の4つの基本的構え

      基本的構えには4つの立ち位置があります。

      これは心理用語で《OK牧場》と言います。

      人は馴染みのある心理的な立ち位置が誰でもあります。

      その人にとったら当たり前のような感覚になっているかもしれません。

      起きている時間はこの4つのどこかのポジションで時間を過ごしています。

      それが児童期に決め心理的なポジションになります。

      1つの立ち位置だけというわけではなくて、立ち位置は代わりますが、人には好みの立ち位置があります。

      1.自分はOKでない。他人はOK(自己否認・他者肯定)自分はダメだけど他人はいい

      2.自分はOKである。他人はOKでない(自己肯定・他者否定)自分はいいけど他人はダメ

      3.自分はOKでない。他人もOKでない(自己否定・他者否定)自分もダメ、他人もダメ

      4.自分はOK。他人はOK(自己肯定・他者肯定)自分いいし他人いい

      私たちは、起きている時間はこの4つのうちのどこかの立場を選んでいます。

      心理的なポジションを証明するために、人は時間を構造化します。

      時間の構造化におて、どの立場にどれくらい時間を使って過ごしているかで人生は変わってきます。

      .自分はOKでない。他人はOK(自己否認・他者肯定)を証明するために時間を過ごす人であれば、人生で落ち込んでいる時間や自己卑下、劣等感を味わう時間は長くなるでしょう。

      自分はOKである。他人はOKでない(自己肯定・他者否定)を証明するために時間を過ごす人であれば、人生で支配的で相手を責めたり否定して、自分は優越感に浸ったような時間が長くなるでしょう。

      優越感に浸れるならいい気分で過ごせると思われがちです。

      一時的にはいい気分になるかもしれませんが、他人を否定している時点で安心感や安らぎや心地良さは感じにくいもんです。

      児童期には、どの立場にどれくらい時間を過ごすかを決定していきます。それが人生脚本の形成の材料になっているのです。

      (2)どのようなストロークをもらってきたか

      時間の過ごし方で、児童期に親からどのようなストロークをもらってきたかが、時間をどう使うかを決める要素になります。

      例えば、

      ・勉強を頑張ったときや、家事をお手伝いすると親が褒めてくれた、お母さんがストロークをくれたとしたら、その人は『活動』の時間で過ごすことが多くなるでしょう。

      ・空想していたら「静かにできていい子ね」と親から褒められてきた、親からストロークがもらえたら、その人はだれかと居ても空想で心理的に距離を置いた『引きこもり』で時間を過ごすことが多くなるかもしれません。

      ・家が危険と感じている子であれば、家族と一緒にいても心は関わらない(傷つかない)ですむ『引きこもり』で過ごすかもしれません。

      ・いい子にしてても無関心で親からストロークがなかった。けれどお母さんの邪魔したり、きょうだいにちょっかい出すと親からは嫌な反応(マイナスのストローク)だけれども無視は避けられた。この子は『心理ゲーム』をした時は親からマイナスだけれどもストロークがもらえましたわけです。そうすると大人になった今でも『心理ゲーム』の時間で過ごすことが多くなると考えられます。

      (3)親が時間をどう構造化していたかによってパターン化する

      親がどんなふうに時間を過ごしているのを子どもは取り入れてそれをパターン化していきます。

      例えば、

      ・親が『暇つぶし』で人と深入りしない当たり障りのない時間を過ごすていたら、子どももその時間の過ごし方を取り入れて自分のパターンにしていきます。

      友達と深入りしないLINEのやりとりや、SNSや芸能人の話しなどの『暇つぶし』で時間を過ごすことが多くなると考えられます。

      ・親が毎日のように嫌味なやりとりをしていて、最後は喧嘩になるような『心理ゲーム』で時間を過ごしているとしたら、その子どもはきょうだいや友達と嫌なやりとりの『心理ゲーム』で時間を過ごしていくことが多くなると推測されます。

      私の母は、私の印象では一日のほとんどの時間を内職で使っていました。

      私から見た母は、仕事をしている『活動』ではなくて、子どもの私とも心理的に距離を置いて関わらない『引きこもり』で過ごしていました。

      だから私は、母の時間の構造化を取り入れて『引きこもり』の時間の過ごし方が多いし、そのパターンを持っています。

      子どもの頃は、折り紙やぬり絵をしながらあれこれ空想して楽しんでいましたし、大人になった今も『引きこもり』の時間を作ろうとします。

      このように子どもから見た親の姿で、

      親が時間をどう構造化していたかを子どもは取り入れて自分のパターン化にしていきます。

      今回は人生脚本の形成における児童期の欲求(飢え)である時間を構造化について深掘りした、

      「人はどのようにして時間の使い方を決めているのか」を解説いたしました。

      一日の中で、心理的にどんなふうに時間を使っているか、

      一日の中で、自責や劣等感のポジションで過ごすことが多いか、支配的や他責で優越感に浸りながら過ごす時間が多いか、それとも自分も他人も肯定し言葉と腹が一致した親密な時間を過ごす時間が多いのか。

      人生は、一日一日で織りなされています。

      逆を言ったら、現在の一日をどう過ごしているかで人生が見えてきます。

      時間は貴重です。

      あなたは、自分の時間の過ごし方・立ち位置が気に入っていますか?

      こころの保健室でできること

      もし自分の時間の使い方や立ち位置が辛かったり、悲しいものであったり、気に入らなかったらカウンセリングで解決していきましょう。

      こころの保健室で実施しているカウンセリングは、クライアント様が人との関わりで『親密さ』を発揮できるように支援している側面があります。

      人生の中で心地いい時間を過ごせるようになっていく方向への支援です。

      『親密さ』という能力は誰でも持って生まれています。

      私たちは『OK―OK』の『自分いい―相手いい』の状態で生まれてきています。

      けれども、幼い頃に傷ついた経験を重ねてしまうと、私たちはこれ以上もう傷つきたくないから

      自分を守るために『親密さ』の能力を使わないようにします。

      カウンセリングで傷つきを癒していくと、『親密さ』の能力が安全な人に対しては発揮できるようになります。

      そうすると人との心地良いやりとりで時間を過ごすことができるようになります。

      人間関係のお悩みがだんだん解決されていきます。

      そして、こころの保健室では人生脚本の書き換えができます。

      10人いたら10通りの人生脚本が存在します。

      自分の人生なのに、主役が自分自身とは限らないんです。

      自分の人生にもかかわらず、エキストラだったり、主役の引き立て役や

      そもそも表舞台に出てきてないという脚本も珍しくありません。

      やっぱり自分はダメだ

      結局は失敗する

      全然できてない

      自分がうまくいくはずない

      こんな自己否定感の人生脚本であったり

      なにか非建設的な人生脚本であったら

      いつからでも、何歳からでも遅いということはありません。

      あなたが諦めない限り、私は諦めません。

      人生脚本を書き換えていきましょう。

      それはなにか特別なカウンセリングをするというものではなく

      いつものカウンセリングは既に人生脚本に関わるものを自然と扱うことが多いです。

      これまで通りに、こころの保健室では【内面から変わるカウンセリング】で根本解決をしていきます。

      人生脚本を書き替えたい方、自分自身のことで悩んでいる方、人間関係で悩んでいる方がいらしたらどうぞお気軽にお問い合わせ・お申し込みください。

      カウンセリングオフィスこころの保健室

      公認心理師 梶間久美子

執筆者プロフィール
梶間久美子
公認心理師
心理カウンセラー
梶間 久美子
KUMIKO KAJIMA
こころの保健室のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
梶間久美子は、愛着の無意識レベルのことから、嫌われる怖さ、居場所のなさ、劣等感、自信がないなどの自己に関するお悩みや、様々な人間関係のお悩みなどの根本解決を支援する公認心理師です。
あなたが諦めないかぎり、わたしは諦めない。

あなたをこころの保健室で待機しています。