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カウンセラーブログ

    • 2024.10.29
      • 人生脚本

      人生脚本(life script)⑨ / なぜ私たちは脚本に従って生きるのか?

      群馬県伊勢崎市の公認心理師、心理カウンセラーの梶間久美子です。

      ここまで人生脚本(life script)①~⑧で交流分析の理論から詳しく解説してきました。

      この世に生まれ出た時から児童期までにだいたい決定している【無意識の人生計画】が人生脚本です。

      自分の人生脚本をどのように形成していくかの詳細は『人生脚本(life script)①~⑧』をご覧ください。

      今回は、【なぜ、私たちは脚本に従って生きるのか?】についてお話しします。

      私たちは幼い頃に書き上げた脚本に、大人になった今でもどうして従った生き方をするのか不思議に思いませんか?

      自分の生き方が建設的であり、日々の中で満足感や充足感、幸せを感じようなものならば

      このままの人生計画に従って行きたいと思うのは納得いきます。

      生きていたら、いろんなことがあります。ストレスになることもあります。けれども適応的で困難な中でも喜びを味わえる。自律的なプログラミングであれば喜ばしいものです。

      しかし、非建設的な脚本。つまりどこか破滅的であったり、苦痛や惨めさを味わうことを繰り返している人生であったとしたら、それでもどうして自分がその脚本に従っているのか謎ではありませんか?

      人の数だけ脚本の数があります。全てオリジナルです。

      どのような脚本も良い、悪いというものはありません。

      その環境から自分を守るために必要なものだったとわかります。

      梶間は、全ての脚本は尊重されるべきものと強く心に刻んでいます。

      そこを踏まえて、「人はなぜ脚本に従がって生きるのか?」その理由を見ていきましょう。

      魔法の解決法

      脚本は、子ども時代に解決しなかった基本的な問題つまりどうやって無条件の愛情と受容を手に入れるかという問題にたいして、魔法のような解決を提供するものだからです。

      これまでの人生をこの『魔法の解決法』に頼って生きてきました。

      言わば、命を守り生き抜いていくために使ってきた解決法です。

      だからこの『魔法のような思い込み』に大人の私たちはにしがみ付くのです。

      例えば、幼い頃に両親が喧嘩をしている。そんな時は決まって「私のことなんてどうでもいいんだ。私のせいだ。私が生まれてこなければよかったんだ。」

      このように私たちは、魔術的な理論に基づき判断をしています。

      幼い子どもは事実が何なのかが分からないのでファンタジーの中にでもいるようなものです。

      だからファンタジーな思い込みをします。

      事実は、お父さんは仕事が忙しくイライラしていた。お母さんは義母との折り合いが悪くピリピリしている。そんな状態で些細なやり取りから喧嘩が起きている。

      この事実からすると、幼い子どもの「私のことはどうでもいい。私のせい。私が生まれてこなければよかったんだ」は魔法の解決法です。

      けれども、事実が何なのかがまだわからない時代の落としどころだと言えます。

      幼いながらも私たちは、落としどころが必要なんです。

      今こうしてファンタジーな思い込みと分かったとしても、いざお父さんとお母さんの喧嘩が始まったら、【魔法の解決法】を使うことでしょう。

      「あぁ私なんて生まれてこなければよかったよかった。私のことなんてどうでもいいんだ」と。

      勤め先で、上司と同僚が言い合いになったらどんなことを味わいますか。

      頭では私には関係ないと分かってはいても「なんか私のせいな気がする。私がいなければ二人の喧嘩はおきてないのかも・・・。私はいない方がいい」と馴染みのあるものを味わっているかもしれません。

      【魔法の解決法】としての脚本だから、大人としての私たちは今でもそれに従って生きるのです。

      ■災難に対する保護

      私たちが脚本の思い込みにそこまでに頑固にしがみ付く理由は他にもあります。

      人は昔からのパターンの方が安心するからです。

      これまでと違う方法はとても怖い。

      大人になってからの生活の中で、脚本の指定通りに反応している時、私たちは今だに幼児の動機づけに従っています。

      「自分に対して害があると知りながら、同時にこれまでとってきた行動を継続するほうがどことなく居心地がいい」という訴えは多いのは、このためです。

      または、無自覚にも「今とっている行動は辛く苦しいしいものだ。でももし自分の行動を変えた場合、待ち受けているかもしれない未知の災難よりは、このほうがまし」という思い込みを実施します。

      未知の災難にあうという不安があるため、大人としての私たちは今でも脚本に頑固にもしがみ付くのです。

      ■クライエント様は自分を諦めない勇者

      子ども時代に決断、決定した脚本にしがみついたままだと様々な問題が生じてきます。

      大人になった今は、【魔法の解決法】では解決にならないというか、その解決方法が合わなくなるという感じです。

      先の例から考えるならば、「私なんてどうでもいい」「私のせい」「私が生まれてこなければよかったよかったんだ」の解決法では合わなくなる人はいます。

      ・自己に関する悩み

      ・人間関係に関する悩み

      ・世の中に関する悩み

      カウンセリングに来ていただくクライエント様は、今までのパターンから脱却したいという勇気を持っていらっしゃると私は常々感じています。

      クライエント様は悩みや苦痛な状態で私のところに来てくださいます。

      それでもそこから何とかしたい、抜け出したいという勇気が分かります。伝わります。

      梶間は、【クライエント様は勇者【自分を諦めない勇者】という持論があります。

      こころの保健室でできること

      人生脚本は、書き換えることができます。

      人は自分の脚本を客観的に捉えることはとても困難です。

      それが当たり前の感覚になっているからです。

      例えば、「自分の身体を大切にできない。ついついタバコなど健康を害するようなことをしてしまう」という人がいるとします。

      母親からは「体に良いから、野菜を食べなさい」と言われてた。

      お父さんからは「健康のために運動は大切だよ」と言わてきた。

      けれどもお母さんが実際しているのは、「ご飯代わりにお菓子を食べる」です。

      お父さんが実際にしているのは、「暴飲暴食、ヘビースモーカー」です。

      この環境では「自分を大切にするな」の脚本形成のメッセージが満載です。

      生まれた時からこの環境にいたら、ここに何の疑問も持ちません。

      人は当たり前の中からは、ひとりでは脱出できないのです。

      評価することなく、尊重しながら客観視できる第三者が必要です。

      そして正しい知識と技能を持っている専門家であることは言うまでもありません。

      こころの保健室では、人生脚本の書き換えるカウンセリングを実施しています。

      ひとりではできなかったことも、一緒ならば可能になります。

      もし人生脚本が非建設的なものであったら

      いつからでも、何歳からでも遅いということはございません。

      人生脚本の書き換えをしていきましょう。

      あなたはこれからの人生をどう生きたいですか。

      ■ゲシュタルトの祈り

      ドイツの精神分析医・心理学者フレデリック・サロモン・パールズの詩があります。

      私は、この詩が大好きです。

      みなさんにもご紹介したいと思います。

      【ゲシュタルトの祈り】

      私は私のために生き

      あなたはあなたのために生きる

      私はあなたの期待に応えるためにいるのではない

      あなたも私の期待に応えるためにいるのではない

      もし縁があり、私たちが出会えたなら素晴らしいことだ

      たとえ出会えなくても

      それも同じように素晴らしいことだ

      フレデリック・サロモン・パールズ

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      公認心理師/梶間久美子

執筆者プロフィール
梶間久美子
公認心理師
心理カウンセラー
梶間 久美子
KUMIKO KAJIMA
こころの保健室のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
梶間久美子は、愛着の無意識レベルのことから、嫌われる怖さ、居場所のなさ、劣等感、自信がないなどの自己に関するお悩みや、様々な人間関係のお悩みなどの根本解決を支援する公認心理師です。
あなたが諦めないかぎり、わたしは諦めない。

あなたをこころの保健室で待機しています。